DISTRO インドネシア発のストリートファッション 2

DISTROの歴史はインターネットがまだ身近でなかった時代にはじまりました。当時はインドネシアの若者にとっては欧米の流行を追うための情報源は、輸入された音楽雑誌や海賊版のCD等と限られたものでした。例外に漏れずインドネシアの若者も欧米の若者と同じポップカルチャーに影響されて育っています。ファッションに関しては海外の著名なブランドは高価で手が出せない、自分の地域では手に入れることが出来ないのという状況。自分のお気に入りのバンドのTシャツが欲しくても本物を買う余裕がない、周りには売っていないというのが問題です。それならば自分で作ってしまおう、というのが彼らの単純な解決策でした。

海外のバンド・コンサートTシャツの模倣品を作ることからDISTROのコンセプトが生まれました。多くのDISTROのデザインがロック・パンクに影響されているのはこの為だと思います。そしてそのDIY精神は欧米のスケート文化に繋がる部分も多いでしょう。彼らはTシャツだけではなく、ポスターやレコード(海外もの、自国・地域のバンドのもの)なども作って売っています。そのためロック色の強いお店では、服だけではなくその他のグッズも売っていることも。そして未だにDISTROでは模倣のバンドTシャツや、カルチャージャミングに影響されたような欧米の著名ブランドをパロディしたデザインを見つけることができます。欧米なら著作権侵害としてすぐに問題になりそうですが、インドネシアではDISTROに対してそれ程強い抑制がないようで、非公式のグッズが堂々とお店で売られています。こういった事は他国では問題になってしまうかもしれない一方、ある意味ではこの無法さがDISTROをより自由に面白くしていると言えるでしょう。インドネシア地域のセンスが加味された欧米のストリート的なデザインはとても斬新です。

その気軽さ、自由奔放さがDISTROを動かして来たのでしょう。そしてより身近になったパソコンやグラフィックデザインのソフトは間違いなくデザインの過程をより手軽に、容易にしました。それによってより挑戦的で遊び心溢れるデザインが生み出されているのだと感じます。比較的安い原料費、制作コストも若いデザイナー(特に比較的裕福な層)にとってプラスでしょう。今日ではインターネットの普及により自分の地域外にも作品をアピールし注目を得ることが可能になりました。本来のDISTROの精神とはかけ離れていて賛否両論あるでしょうが、いつかインドネシアのブランドが海外に飛び出し世界の著名ブランドと肩を並べるという日も来るかもしれません。

Racerkids DISTRO発祥の地・バンドンのレーベル.
Pakaianbandung オンラインストアで海外発送も行っている模様。

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