DISTRO ・ インドネシア発のストリートファッション

ファッションの世界ではインドネシアはあまりピンと来ない存在でしょう。特に欧米の方にはインドネシアのファッションといっても伝統的衣装以外にはほとんど未知のものだと思います。基本的に(特にハイファッションでは)ファッションと言えば欧米のブランドに注目が集まり、アジアでは日本や香港のブランドもある程度影響力があるといった感じですが、ストリートファッションとなるとパリ、ミラノ、東京といった大都市以外の地域にも注目が行くようです。それでもアジアではやはり東京、香港、ソウルといった都市が中心でインドネシアの都市から勢いのあるストリートファッションの文化が発信されているのは意外じゃないでしょうか。

インドネシアは世界最大のイスラム教国家で国民はとても信仰深い国です。イスラム文化の影響は人々の日常の服装にも見られ、インドネシアの日常のファッションは非常に保守的といっていいと思います。しかしながら勿論これは年齢層、そして特に地域によって大きく左右されます。基本的には信仰深く保守的と言えるものの、人口約2億3800万人の国では人々の人生観、宗教観等は多種多様でそれは服装にも表れるものです。例えば若い女性がヒジャブを着用しているかどうか、というのもその一種のバロメーターだと言えます。こういった背景でインドネシアはストリートファッションとはあまり縁の無いように思えますが、やはり不満の溜まった意欲的なインドネシアの若者の間でDISTROは始まりました。

DISTROの語源は英語のDISTRIBUTIONにあるようですが、特に頑固とした定義は無く、DIY精神によって始められたブランド、又はそのコンセプトの総称のようです。DISTROブランドの出発点はやはりTシャツのデザインから、という場合が多いようで、ひとたび自分でデザインを始めたならそれが第一歩。次のステップは自分の作品を地域のショップに委託して売り出すこと。この場合そのショップというのは他のDISTROのお店という場合が多々ありで、彼ら自身の商品と共に他のデザイナーの者も扱うといった方式です。もしくは自分自身でお店を始めるというのもオプションです。個人経営、限られた資金ということで多くのディストロを扱う店は本当に狭いスペースでやり繰りしているのも普通。他には露店形式で自分たちのTシャツ等を販売している若者もよく見かけることができます。インドネシアの主要都市では数多くのDISTROのお店を見つけることができ、大企業ではなくファッション好きの若者たちによって運営されています。DISTROのデザイナーはDIYの柔軟さ、手軽さを十二分に活用して新しいアイディアや挑戦的なデザインを発信します。ディストロのお店では何百ものTシャツがありますが、その多くが1点ものという場合も珍しくありません。インドネシアの若者、特に男性の間ではDISTROから発信されるパンクやスケーターといったスタイルが人気のようですが、それはDISTROの起源と関係しているのかもしれません。

ほんの一例ですが、どういったスタイルが発信されているのかを知るためにジャカルタ発のレーベルMagic Happens のサイトをご覧ください。

[English]

You might also like: